黄教授は、大韓民国の現行予備選挙制度の問題点について説明している。
黄道洙(ファン・ドス)教授は最近、事前投票制度について「韓国の選挙透明性を脅かす最大の抜け穴だ」と警告した。
証拠資料が一切残らない構造
第一の問題は、検証可能な証拠が全く残らない点である。通常の本投票では、有権者名簿に署名が残り、投票用紙には管理官の印が押される。しかし、事前投票ではこれらの手続きが省略され、事後の確認が不可能となる。
捺印も通し番号もない投票用紙
第二に、偽造防止の仕組みが撤廃された点だ。本投票では印や通し番号によって真偽を確認できるが、事前投票にはその制度がない。「偽造された投票用紙を入れても、真偽を判別する方法がない」と黄教授は指摘した。
脆弱な電子システム依存
第三に、制度が電子システムに過度に依存している点である。統合有権者名簿はすべてオンラインで管理され、投票終了後、個人情報は即時削除される。「システムが完璧だと言いながら、個人情報流出を懸念してデータを消すのは矛盾だ」と黄教授は述べ、むしろ操作やハッキングの余地を広げていると警告した。
投票箱保管のリスク
さらに、事前投票は本投票より数日前に行われるため、投票箱を3〜4日間保管しなければならない。この期間に不正操作が行われる危険性があると教授は強調した。
制度改革の必要性
黄教授は「現行の事前投票制度は、いつでも不正が起こり得る構造だ」とし、改善なくして選挙の公正性に対する信頼は回復できないと訴えた。またドイツ連邦憲法裁判所の判例を引用し、「不正の有無を物理的証拠で確認できる制度が必要だ」と強調した。
黄道洙(ファン・ドス)教授は、現在、大韓民国の建国大学校法学科の教授である。
ソウル大学校および同大学院において修士号と博士号を取得した。憲法裁判所憲法研究官、黄道洙法律事務所の弁護士、東亜日報読者人権委員会委員、国会憲法改正特別委員会諮問委員、市民団体「経済正義実践市民連合」常任執行委員会委員長を歴任した。